グラミー賞のラテンである ラテングラミー賞の授賞式が数日前に開催されました。

ラテングラミー賞の受賞者を部門別に発表し解説します。

ジャンルが幅広くてアーティスト数が多すぎるので、私に関係するジャンルや歌手だけにします(スペイン語のラテン音楽)。

ラテングラミー賞は以前はラテン好きの人しか見なかったのですが、世界のラテンの大ブームでラテングラミー賞が非常に注目されるようになりました。

またラテングラミー賞はアメリカのなので、アメリカで売れているラテンの曲が中心です。以前はラテンアメリカでヒットしてる曲とちょっと違ったのですが、今の世界のラテンブームではアーバン系が世界中にヒットしてるのでその辺のジャンルにおいてはラテンアメリカでのヒットと合致してきました。サルサ等のトロピカル系はちょっと違うと思いますが。

では各部門の受賞者です。

まずはビッグ4の4大部門から発表します。

<最優秀レコード賞>

Record of the Year

「Telefonía」 Jorge Drexler

<最優秀アルバム賞>

Album of the Year

「¡MÉXICO Por Siempre!」 Luis Miguel

<最優秀楽曲賞>

Song of the Year

「Telefonía」 Jorge Drexle

<最優秀新人賞>

Best New Artist

Karol G

最優秀新人賞のKarol Gにはグッときました。

彼女はコロンビア人のレゲトン歌手で、コロンビアのメデジン出身。
レゲトンでは珍しい女性歌手です。
レゲトン歌ってる女性歌手はいるけど、他のジャンルの歌手だけどレゲトン「も」リリースするだけでレゲトンの歌手ではない。女性のレゲトン歌手は何人かしかいません。

Karol Gは前にこのブログで書いたように、歌手活動の芸歴は前からあるんです。
コロンビアのメデジンの実力派レゲトン歌手で、デモテープでずっとレコード会社やラジオ局などに売り込みしていたけれど、レゲトン界は見てわかるように超男社会なうえにラテンアメリカには男尊女卑があったため、女であるために長らくデビューさせてもらえなかったのです。でもあきらめずに活動を続けてきた結果、やっと最近時代が変わって女性のレゲトン歌手も認められるようになりメジャーデビューさせてもらったら、曲が世界で大ヒットして一躍人気歌手になりました。

ラテンアメリカはマチスモ社会(男尊女卑)だったので、ラテンアメリカがベースのラテンの女性歌手はほとんど成功できない、という悪習があり、成功しているラテン女性歌手はほぼアメリカ生まれやアメリカを拠点に活動してアメリカでデビューした人ばかりです。

コロンビア人のシャキーラもアメリカ拠点で今はスペインです。
ラテンアメリカでの男尊女卑を打破すべく、Karol Gはフェミニストとしてもがんばっており、若いファンの女性達からも支持されています。
私も彼女を応援してきたので、受賞はうれしかったです。

彼女の曲もイベントでよくかけますよ。

これがKarolのラテングラミー賞でのライブ。

今年大ヒットした「Mi Cama」 というレゲトンを歌ってます。

授賞式のスピーチも感動しました。
年配の男性と腕を組んでスピーチの壇上にあがったKarol。

「私はデビューしてから4年がんばってきて、やっとラテングラミーをもらえるまでに成功できました。ラテン音楽界でがんばっている他の女性アーティスト達とこの成功を女性としてわかちあいたい。そして、今の私があるのは、私の成功の99%はこの隣にいる男性のおかげです。パパほんとうにありがとう」 とKarolがお父さんに感謝したので、思わず涙が出そうになりました。

このビデオで前の席に座っていて喜んでくれてる人はコロンビア人のSebastian Yatra。
途中で同じコロンビアのメデジン出身のMalumaも映ってます。

コロンビアでは大卒じゃない人の多くの女性は18歳位で子供持つ人が多いです。それか就職するけど、Karolは歌手になりたかったから長い間陽の目を見なかったのにお父さんがサポートしてくれたんだと思います。

新人賞だけど下積みが長いです。だから感動的。

さて他の部門も発表します。

<最優秀コンテンポラリー・ポップ・ヴォーカル・アルバム賞>

Maluma 「F.A.M.E.」

Malumaのスピーチ。

Malumaもコロンビアのメデジン出身のレゲトン歌手です。
ひげのばして髪が長くなったしめがねかけてるからわかりづらいですが、イケメンなので女性ファンがめっちゃ多いです。
世界で大人気で、日本にもファンかなりいます。

malumaはラテングラミーで歌わなかったので、今年彼がリリースした曲のミュージックビデオをUPします。
この曲とビデオについては、マチスタ(男尊女卑)で女性を性的なモノ扱いしてると抗議デモやボイコット運動がおきて問題になりました。

それについては前に記事書いたのでこちらを

「MALUMA 「MALA MIA」の歌詞和訳。 中南米で議論沸騰中のわけ」

「Mala Mia」 Maluma

<最優秀アーバン・ミュージック・アルバム賞>

「Vibras」 J Balvin

J Balvinもコロンビアのメデジン出身のレゲトン歌手。
「デスパシート」を去年抜く勢いで「Mi Gente」が大ヒットしたし、今年は来日してサマソニで歌いました。日本でも大人気の歌手。

ここまでメデジン出身のコロンビア人ばかりですね。ほんとにここ数年の音楽授賞式はコロンビア人が活躍してます。今年も多かったです。

J Balvinはラテングラミー賞で2回もパフォーマンスしました。

これはこの受賞したアルバム「Vibras」から。

J Balvin ft Carla Morrison - "Vibras" / "Ambiente"

<最優秀アーバン・ソング賞>

「Dura」 Daddy Yankee

レゲトン・キングといわれるレゲトン界の頂点にたつ大御所ダディ・ヤンキーが受賞。
「ガソリーナ」で2004年に日本でもブレイク、去年世界で史上最高の連続第一位を記録した「デスパシート」でも歌ってます。

ダディ・ヤンキーの「DURA」は日本で「デュラ」と邦題つけて売ってますが、スペイン語の正しい読み方は ドゥーラ です。デュラじゃないです。DURAはhardという意味。

ダディ・ヤンキーは他の仕事で授賞式に来れなかったのです。 
だからDURAのミュージックビデオをUPしますね。

<最優秀サルサ・アルバム賞>

やっとサルサの出番です。

サルサの最優秀アルバム賞は、

「25/7」  Víctor Manuelle

これはラテン・グラミー賞でのVictorのパフォーマンス。

やっぱレゲトンなどのアーバン系ではなく、サルサ歌手って歌うまいなーって思います。
彼のライブに行った事あるけど。

Victorは今年はちょっとアーバン系とのコラボのサルサとか出してました。サルサ界の中堅で、日本にもファンが多い人気歌手ですが、彼は時代の流行を読むのが上手です。

<最優秀クンビア・バジェナート アルバム賞>

「Esto Es Vida」  Silvestre Dangond

バジェナートはコロンビアの伝統音楽で(クンビアもコロンビア発祥だけど)。

これはコロンビアの有名なバジェナートグループです。

<最優秀コンテンポラリー・トロピカル・アルバム賞>

「Vives」  Carlos Vives

コロンビア人のバジェナート歌手 カルロス・ヴィヴェス。

彼は去年シャキーラをfeaturingした「Bicicleta」でレコード大賞を受賞したコロンビアのカリブ海出身の有名歌手です。

<最優秀トラディショナル・トロピカル・アルバム賞>

サルサのRuben Bladesに勝ったのは、

「A Mí Qué ー Tributo A Los Clásicos Cubanos」   José Alberto El Canario & El Septeto Santiaguero

キューバのグループ。

ラテングラミー賞の映像がないので、彼らのビデオをUPします。

<最優秀トロピカル・ソング賞>

「Quiero Tiempo」   Víctor Manuelle Featuring Juan Luis Guerra

サルサのVictor Manuelleの曲にドミニカ共和国出身のドミニカ人のバチャータとメレンゲ歌手Juan Luis Guerraがコラボ。
ラテングラミーでパフォーマンスしたビデオは上にUPしましたが、今度はオリジナルのミュージックビデオを。

<最優秀短編ミュージックビデオ賞>

「Pa Dentro」 Juanes 

コロンビア人のフアネス。
日本でも以前からファンが多いフアネス。「Camisa Negra」がサルサバーでよく流れるのでご存知でしょう。
ラテンの情熱の貴公子とか日本で宣伝されてたのはこの人です。

フアネスはラテン・ポップやバラードの歌手だけど、この曲はレゲトンのリズムが入ってます。

このビデオの撮影地ってコロンビアじゃないかな、メデジンの、と思ったらやっぱりコロンビアのメデジンで撮影したそうです。

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ラテングラミー賞で受賞はしてませんが、パフォーマンスをしたアーティスト達は

「X」  Nicky Jam featuring J Bavlin, Steve Aoki

Nicky Jamはアメリカ生まれのプエルトリコ人のレゲトン歌手で、2000年代前半から知られてるレゲトン歌手ですがここ数年特にすごい人気です。去年は6部門も受賞しました。

スティーブ青木はジャンルが違ってEDMのDJですが、いまのラテン人気にあやかってか最近ラテンとコラボした曲をリリースすることが多くなりました。
J Balvinの「Mi Gente」のEDMリミックスとか、 Daddy Yankeeの「Azukita」とか。

だからスティーブ青木はラテンの音楽授賞式によく来るようになったんだけど、ウルトラのフェスとかと同じでステージ上ではあいかわらずDJをやってなくてぴょんぴょん跳ねてるだけ 笑。

受賞は逃したけれど今年ビルボードでも高いランキング入りするヒット曲を飛ばしていたOZUNAもラテングラミーでパフォーマンスしました。

OZUNAはプエルトリコ人のラテントラップ歌手。レゲトンも歌います。

OZUNAが例のあの「タキタキ・ルンバ」(Taki Taki)で長崎の歌詞を歌って非難された歌手ですよ。彼はコラボ参加なので歌わされたんでしょうが。
いまめっちゃ流行ってる若手のラテントラップ歌手です。

他のパフォーマンスでは、

「Esta Rico」 Marc Anthony, Will Smith, Bad Bunny

サルサ歌手のマーク・アンソニーと、プエルトリコ人で今若い世代に大人気のラテントラップ歌手Bad Bunny、それにコロンビアのカルタヘナにきてスペイン語しゃべったりラテンとコラボするようになったラッパーで俳優の米人ウィル・スミス。

この歌も今年けっこう流行りました。ウィル・スミスは英語とスペイン語で歌ってます。

いま世界で大ヒットしてるラテントラップの若手歌手 Bad Bunnyは、ラテングラミーでソロのパフォーマンスもしました。
今年のヒット曲のメドレーです。

"Sensualidad”  "Soy Peor"   "Chambea"   "Estamos Bien"   Bad Bunny

コロンビア人の歌手Sebastian Yatraもラテングラミーでパフォーマンス。

この人はラテンポップスやバラードも歌うし、レゲトンも歌えるマルチで歌唱力のある人です。

「No Hay Nadie Mas」  Sebastian Yatra Featuring Halsey

私のジャンルに関係あるカテゴリーやジャンルとしては以上です。

私はスペイン語のサルサ、メレンゲ、バチャータ、バジェナート、クンビア、レゲトンやラテンダンスミュージックやラテントラップなどのアーバン系が自分のジャンルなので。

他にもmusica norteña(Banda) というメキシコのジャンルや、ブラジル音楽、ロック、クラシック、ジャズなどの部門があります。その他のカテゴリーの受賞者についてはラテングラミー賞のHPを見て下さい。

全部の受賞者一覧を見たい人は ラテングラミー賞のサイトからどうぞ。

https://www.latingrammy.com/en/nominees

ラテンは歌のうまさが重要なので、こういう授賞式では絶対に口パクしないです。

アメリカの大規模な会場で反響して音がとりずらいんでしょうが、歌手によっては音が外れていてライブでうまい人とそうでない人の差が出てておもしろいですね。

それに今年もコロンビア人大旋風。

コロンビアのメディアはコロンビア人が今年もラテングラミー賞で圧勝とか報道してました。

確かにコロンビア人多いですよね。
ここ数年の音楽賞はほんとにコロンビア人多い。

ただしコロンビア人でもシャキーラは今年はダメでしたね。彼女は曲リリースしたけど、ふるわず。それにいくつかの脱税の容疑もかけられたし、声の調子が悪いとツアーもキャンセルしたので。

日本でも早くコロンビアのイメージを数十年前のものからアプデして、コロンビアといえばパブロ・エスコバルではなくて、コロンビアといえばJ Balvinといえるようになってほしいものです。

それから今年はバチャータの歌手が一人も入ってませんでした。
5年位前にバチャータがラテンでは大ブームでしたが、今年はバチャータはふるわず。 あんまり一世風靡するヒット曲出てないんですよね。Romeo Santosの新しいアルバムとかも買ったけど、イマイチだった。

今年は世界中でラテンのアーバン系が大ヒット。
レゲトン、ラテントラップ(トラップ・ラティーノ)やラテン系のダンスミュージックは世界で大人気で今の音楽界のトレンドはラテン。日本でも若い世代を中心にすごい流行っています。

それがラテングラミーにも表れた結果だと思います。

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